新田氏qPCR検量線が1000倍違っているのでは?

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新田氏提示のqPCR検量線

  • 検量線を元に「DNA混入率はRNAの100万分の1以下」と結論
  • ただし「見積りが一桁や二桁違っていたとしても1万分の1」とも
  • 1000倍ほど検量線が間違っており実際は1000倍では?
  • 1/100や1/10の可能性も

まず新田氏はmRNAワクチンにDNAが混入していることは確認しています。

新田氏が2023年4月30日に公開した資料(後に削除)によると2023年3月22日ごろ、DNAの量を測定するため、まずレファレンス(参照するためのもの)として検量線(Standard Curves)を引きました。そのために使ったものはSpike用プライマーでサイズは170bpです。McKernan氏と別のプライマーを使わなかったことの言及にも疑問がありDrymon 氏が追及していますが新田氏が別プライマー選択の誤りを認めていますので、脇に置いておきます。

検量線を引いた後で、調査対象のDNA量をPCRで増幅し、検量線と比べて調査対象のDNA量を測定するのが quantitative PCR (qPCR) です。新田氏はDNA混入量はRNAの100万分の1以下と結論付けています。

しかし筆者は1000倍ほど検量線が間違っている疑いがあると考えています。そうすると結論は「DNA混入率はRNAの100万分の1以下」「見積りが一桁や二桁違っていると1/100や1/10」となります。以下、根拠を述べます。


mbi氏の指摘: 260倍違っているのでは?

  • McKernan氏と新田氏の検量線を右の図に書直すと260倍違うと指摘
  • 新田氏はthreshold(閾値)はmbiさんが書いたものだと反論(後述)
  • 閾値は自由に設定できるが(対数表記でも)立上がりすぐ上に書くこと多し
    (もっと上に手動設定すること自体は正当)

検量線は、何サイクルで threshold(閾値) を超えたか、つまりCt(Cycle threshold)値が幾つだと量が幾らかということを示すためのものです。分り易くするために右のグラフに変換しておいて利用します。
切片が 2.4 違うので、10^2.4 で 260倍ほど違うのでは無いかというのがmbi氏の指摘です。

それに対して新田氏はthreshold(閾値)はmbiさんが書いたものだと反論しています。何故この反論をしたのかはこの時は分らなかったのですが、後で判明しました。確かに threshold(閾値) は実験者が設定してもよいものなので、threshold はmbiさんが引いた場所では無いという指摘自体は正当なものです。ただそれとmbiさんの260倍違うのでは? という指摘は関係無いというだけです。これは後述します。


藤川の指摘: 1000倍違っているのでは?

  • 荒川氏noteでのプラトー(停滞)の位置に関する解説を読み比較資料作成
  • プラトーに達する点が10違う。つまり1000倍違う
  • 新田氏の「対数表示かどうかで違う」との指摘を受け左上修正
  • 新田氏とMcKernan氏の検量線比較に影響無し

荒川氏noteでのプラトー(停滞)の位置に関する解説を読み,筆者も比較資料を作成し、新田氏の検量線だけプラトーに達する点が一般的なPCR試料カタログやMcKernan氏の検量線とはかけ離れていることを指摘しました。

新田氏から「対数表示かどうかで違う」との指摘を受け左上のグラフを修正しました。下のグラフ二つで○で囲った部分を全て右に3サイクル分程左にズラしてもよかったのですが、修正に手間がかかるので、左上だけとしました。以下の議論にはどのみち関係ありません。新田氏に指摘はいつも本質的な所では無いこところにあります。

どちらにせよ同程度の量5×10^7個のDNA量で、PCRがプラトーに達するのが、新田氏は12、McKernan氏は23。左上のグラフは1×10^7個のDNA量で24と、新田氏の検量線だか10違います。10違うということは 2^10 が 1024 なので 1000倍違うということになります。


Drymon氏の指摘: 1000倍違っているのでは?

  • Drymon氏も新田氏の検量線が1000倍違うことを立上がりから指摘
  • 新田氏に新田氏検量線と同じく立上がりが早い論文出すよう促した

Drymon氏も新田氏の検量線が1000倍違うことを立上がりの点が異常値であることから指摘しています。またDrymon氏は新田氏に新田氏検量線と同じく立上がりが早い論文出すよう促しました。


新田氏が類似(???)論文提示

  • 100ng (約1万コピー) で 16-18サイクルで立ち上がるとのこと
  • 今まで10fg(5万コピー)の話をしてたのに、質量1000万倍が類似例?
  • 提示グラフは検量線では無いし、同じ論文の別ページに検量線あり

新田氏は自信の検量線と類似のグラフとして 100ng (DNAが約1万コピー) で 16-18サイクルで立ち上がるというグラフを出してきました。
今まで10fg(5万コピー)の話をしてたのに、質量1000万倍のものを類似例として出してきました。しかもこのグラフは検量線では無い上に、同じ論文の別ページに検量線があります。


新田氏提示論文で検量線の正当性を訴えるのは無理がある

  • fgやpgの検量線の話してるのに、20年前のゲノムDNA 100ng(1000万倍)
  • 図2Aを出してきたが検量線は図3に別途有り
  • 10000コピーでは図3や図2説明と整合性取れない。
  • 図2Aは目盛と数値がズレてる

新田氏提示論文で先に出した検量線の正当性を訴えるのは無理があります。

まずfgやpgという微細量の話をしているのに、20年前のゲノムDNA の論文を提示してきました。質量は1000万倍と桁違いです。また図2Aを出してきましたが検量線は図3に別途有ります。筆者はどうして新田氏が10000コピーと言っているのか根拠が分りません。10000コピーと仮定すると、図3や図2の説明と整合性が取れないからです。

更に図2Aはグラフ単体としてもおかしなグラフとなっています。目盛と数値とがズレているのです。これでは論文の作者が書いた補助線で読み取ったCt値 19 や 21 が正しい値なのかも分りません。実際に図の説明では 27.03、32.25 など、全然違う値が書いてあります。


御茶ノ水氏最終回答

  • 御茶ノ水氏に、Target2のコピー数が10000とした場合の、図2Aと図2説明と図3Aと図3Bとで一貫性がある説明をお願いした後の最終回答
  • 筆者に説明させようとしてたが、分らんものは分らん
  • たかが検量線の妥当性を提示の目的に、解釈困難な論文を提示してきた

御茶ノ水氏に、Target2のコピー数が10000とした場合の、図2Aと図2説明と図3Aと図3Bとで一貫性がある説明をお願いした後の最終回答を示します。筆者に説明させようとしていましたが、分らないものは分りません。そもそも、たかが検量線の妥当性を提示の目的に、解釈困難な論文を提示してきています。類似の検量線を探せなかったということです。


PCR「立上がり」「サイクル」「Ct (Cycle threshold)」

  • 立上がり: 装置が検出し表示を始めること
  • サイクル: 横軸で何倍増幅操作を行ったかを示す
  • Ct (Cycle threshold): thresholdと定めた値を超えるときのサイクル値

新田氏は、新田氏の検量線だけが異常値であることを指摘している人達が「立上がり」「サイクル」「Ct (Cycle threshold)」を曖昧に使っているのをよいことに、専門家で無い人を混乱させようという議論をしかけてきます。

それぞれの意味は、私は上の定義で使うのがよいと思っています。筆者自身はPCR装置を使ったことはありませんが、自身の分野である通信分野でも信号の立上がりといえば上に書いた通り「装置が検出し表示を始めること」として使っています。

threshold(閾値) を上の方に設定すれば、Ct値は高くなります。新田氏はだから自身の検量線は異常値では無いといってますが、threshold を上の方に設定しても立上がり位置は変らないので、無理な主張です。


新田氏、McKernan氏検量線が人を騙すための物と発言!

  • 「検量線はMcKernan氏とそう違わない」と言ってたのに、
  • 「McKernan氏はグラフで非専門家を騙そうとしてる」と言い出した
  • 新田氏検量線はMcKernan氏検量線と同様に正常の主張だったのでは?
  • 新田氏含め今までMcKernan氏の検量線に異議は唱えられてなかった

新田氏の主張は『装置が検出し表示する「立ち上がり」と自分で設定できる「threshold」を混同させて専門家で無い人を騙そうとする手口』と筆者が指摘したところ、新田氏は「それをやったのがMcKernan氏のグラフだということです」と返してきました。

これは新田氏の主張に一貫性無いことを示す重要な発言です。元は「検量線はMcKernan氏とそう違わない」という主張だった筈なのに「McKernan氏はグラフで非専門家を騙そうとしてる」に変化しました。新田氏含め今までMcKernan氏の検量線がおかしいという議論は誰もしていなかったのですから。

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