2022年: 死亡時の年齢は、コロナ死者が全死因死者より2歳以上長生き
- コロナ死者 85.24歳
- 全死因死者 82.83歳
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450011&tstat=000001028897&cycle=1&tclass1=000001053058&tclass2=000001053060&tclass3val=0
- 死者平均年齢の推計にあたり区分年齢の平均値を使用して計算。つまり「10歳以上15歳未満」の区分なら12.5歳とした。例外的に「100歳以上」の区分は102.5歳とした。
グラフは主な死因及びコロナ死の死者の平均年齢を月ごとに推計し、プロットしたものです。
結論から言いますと、2022年1〜3月、第6波ごろの死者の平均年齢の推計は、
- コロナ死者 85.24歳
- 全死因死者 82.83歳
となり、コロナ死者の方が平均より2歳以上長生きという結果となりました。
よくコロナ死の平均年齢と平均寿命とが比較されますが、平均寿命は 0歳時の平均的な余命、これから何年生きるだろうかと推測したもので、実測値である死者の平均年齢とは別物です。
上のグラフでは全死因死者年齢の平均値と、コロナ死者年齢の平均値を「推計」して比較できるようになっています。2020年から2022年までは、年ごとの推計値も載せています。「推計」ではあるのですが、元データはどちらも厚労省が出している同じファイルにあるところがミソです。正確な値とは違っていても、大小関係は変らないと考えています。
月ごとに見ていくとコロナ死者の平均年齢は、2021年4月〜12月まで全死因死者の平均年齢を「連続で」下回っていました。しかしその他の時期は上回っていた時期が多かったようです。特に2021年になってからは3ヶ月連続で上回っています。
年ごとに見ていくとコロナ死者の平均年齢は、2020年と2022年に全死因死者の平均年齢を上回っています。
ヒトの死の流れ
- 50歳代で自殺しなければもっと生きられ、
- 70歳代で癌で亡くならなければもうちょっと生きられ、
- 80超えて循環器系疾患(心臓病、脳卒中など)で亡くならなければ、もうちょっと生きられ、
- 呼吸器系疾患(肺炎など)で亡くならなければ、もうちょっと生きられ、
- そこまで乗り超えたら、老衰で亡くなることができる
一旦コロナのことは置いておいて、このグラフを描いてみて興味深いと感じたのは、主な死因での平均年齢は、12年間、順位の入れ代りが一度たりとも発生していないことです。グラフを下から見ていき、あくまで平均的な話ですが、人の死とは上に書いたような流れなのだと解釈しました。
コロナの話に戻しますと、2022年2月と3月は、呼吸器系疾患死者とほとんど同じ年齢となっています。癌や循環器系疾患で亡くならずに済んだ方が呼吸器系疾患またはコロナで亡くなっているのでは無いでしょうか。(元にしたデータが最終的な月ごとの死亡統計なので、何らかの要因で亡くなった方がコロナ死と判定されてしまっている場合は少なくなっているのでは無いかと思いますが、確認はできていません。)
どちらにせよ、長生きなさった方が寿命を全うされて、コロナ死とされているのだと思います。こう書くと「若い人でも亡くなっている!」と批判されていますが、それは他の死因でも同じです。どんな疾患であっても、割合いは低いですが、若い方が亡くなることもあります。
もうコロナだけ特別扱いするのはやめましょう。
インフルエンザ死者の平均年齢も高かったが、月によっては……
- インフル死者(2019) 82.84歳
- 全死因死者(2019) 81.90歳
インフルエンザの死者の平均年齢も見てみましょう。2020年以降はほとんど流行っていないので、2015〜2019年の期間としました。
2019年の死者の場合だと、
- インフル死者 82.84歳
- 全死因死者 81.90歳
となっており、インフル死者の平均年齢の方が高くなっています。
しかし2016年は逆に
- インフル死者 79.29歳
- 全死因死者 80.96歳
となっており、インフル死者の平均年齢の方が低くなっています。
コロナ死者の統計とは異り、月ごとでみてもインフル死者平均年齢が極端に下がっている月が散見されます。これはその月に死者が少なかったので統計上のブレが大きいのでは無いかと思いますが、それでも若い方の死者が多かった月もあったのだと推測できます。
2022年1月、15歳未満のインフルエンザ死は、主な死因に匹敵
月ごとに見ていくと例えば、2020年1月、コロナ禍の直前でまだインフルが流行っていたころ、14歳以下の死者は25人と、主な疾患での死者の17〜35に匹敵しています。
15歳未満のコロナ死者は全期間通して2022年3月までで3人
一方で15歳未満のコロナ死者は全期間通して2022年3月までで3人です。子供にとってインフルエンザとコロナどちらが脅威なのか、子供たちに脅威に合せた対応を取らせているのか、改めて考えて欲しいと思います。