8匹の猿のジョーク
- 感染対策が固定化する経緯を説明できる「8匹の猿のジョーク」の紹介
- 日本は特異な感染対策として検査・マスク・ワクチンが残った
- 遅くとも小学校入学を期にマスク等感染対策必須と教化
- 目的は感染者増のピークを後にずらしつつ下げ医療崩壊を防ぐことだった筈
部屋に8匹の猿を入れます。 部屋の中央にははしごが設置されています。 そのはしごに登ると天井から吊るされたバナナを取れるようになっています。
猿がはしごを登ろうとすると、全ての猿に氷水が降り注ぎます。 しばらくすると、猿達は氷水をかけられたくないので、はしごを登る猿を攻撃するようになります。 その後、どの猿もはしごを登ろうとしなくなります。
元々いた8匹のうちの一匹を新しい猿に置き換えます。 新しく来た猿は、はしごとバナナを見ます。 何故、他の猿達がバナナを取りにいかないのかと不思議に思いつつも、新参者の猿はハシゴを登ろうとします。 すると、他の猿達はその新参者の猿をフルボッコにします。 新参者の猿は何故ボコボコにされたのかはわかりませんが、梯子を登ろうとするのをあきらめます。
元々いた8匹のうち、さらにもう一匹を新しい猿に置き換えます。 新参者の猿はハシゴを登ろうとしてボコボコにされます。 以前ボコボコにされた新参者だった猿も他の皆がやっているため、今回の猿をボコボコにする行為に加担します。 しかし、何故はしごに登ろうとする猿を攻撃しなくてはならないのかは全くわかっていません。
元々いた8匹の猿を一匹ずつ置き換えます。 元々いた全ての猿は部屋にいなくなっています。 今、部屋に居る猿は氷水を浴びせられたことがありません。 また、はしごに登ろうとする猿もいません。 全ての猿は、はしごに登ろうとする猿を狂ったようにボコボコにします。 しかし、何故そうしているのかは誰も見当がつきません。
そして、感染対策もこのようにして決まっていくのです。
慣例,風習,企業文化などが形成される経緯を面白く説明したジョーク[1]を知人に教えてもらいましたので、紹介します。最後の一文は元々色んなバリエーションがあるとのことですので、私も改変しました。
さて、手洗いうがいなどの従来からある感染対策を除くと、日本はコロナに対する特別な感染対策として、検査・マスク・ワクチンが残ってしまいました。更に加えるのなら「どこでも消毒」やパーティションでしょうか。守らない人達はある種、非国民扱いされてきました。
そして子供達が小学校に入学するときにマスク必須のコミュニティに組込まれます。もしくはそれよりも早くマスク必須のコミュニティに所属させられます。感染対策の本来の目的も知らずにマスクをし、マスクしていない子供をいじめたり場合によっては先生も止めず、更には加担することもあります。
まさに上のジョークの状態となっているわけです。けれども感染対策の当初の目的は何だったか皆さん、覚えているでしょうか?
感染者増のピークを後にずらしつつ下げることで、医療崩壊を防ぐことだった筈です。医療崩壊しないのならそもそも追加の特別な対策は不要なのです。今、感染対策をしている人達でこのことを認識している人がどのくらいいるのでしょうか? 今感染対策をしている子供達が大人になるころには完全に固定化されると危惧しています。
2020年4月 緊急事態宣言時の医療崩壊を防ぐ戦略の説明
- ピークを後にずらしつつ下げることで、医療崩壊を防ぐ
- ピークを下げると感染者が減りトータルとしての感染者も減るように見える
- 最終的にはゼロコロナが達成できるかのように見える
2020年4月7日に最初の緊急事態宣言を出たとき、医療逼迫して最悪、医療崩壊することを避けるためにピークを後にずらしつつ下げるという基本的な考え方が説明されました[2]。
しかしこのグラフだとピークを下げると感染者が減り、トータルとしての感染者も減り、最終的にはゼロコロナが達成できるかのように見えてしまいます。実際そう歪んで解釈してしまった人が多かったのでは無いでしょうか。後述しますが、現実は、検査の問題もあるのでしょうが、陽性者も死者も増えてしまっています。
2020年2月 元になったと思われる資料では違った
- 2020年2月時点で鳥取での資料が元の資料と思われる
- 感染はだらだら続くことを示す図だった
これは2020年4月の資料の元になったと思われる 2月の鳥取県新型コロナウイルス感染症対策本部の資料です[3]。こちらでは対策するとだらだら続くし、トータルの感染者は減るかどうか分らないと解釈できないでしょうか。
想像ですが、対策すると感染が減りそれほど長くは続かないように見える図にしないと国民に説明がつかないという判断があって、図が改変されたのでは無いでしょうか。
2009年の新型インフルエンザ総括時の資料
- 10年前から対策すると感染がだらだら続く可能性は分っていた
- 特別な感染対策の目的は忘れ去られ固定化
2010年に行われたた、2009年の新型インフルエンザ総括でピークを下げると「患者発生はだらだら続く可能性あり」という文言も入った資料を作っていました[4]。作成者はコロナの専門者会議にも名を連ねている岡部信彦先生です。この知見を元に鳥取の図が作成されたのだと考えられますが、残念ながら、この対策すればすると新規感染症が長く続くことは国民には周知されなかったように思えます。
そして更に今は、病症逼迫は関係無く検査・マスク・ワクチンといった感染対策を常に行い、感染者が増えてくると病症逼迫と煽って感染対策を強化するというシステムが固定化されてきたように思います。本来、医療資源が確保されるまでの暫定措置で対策すると感染がだらだら続くという事実が忘れさられて。
次に医療資源が逼迫していたのか検証していきます。