ワクチンは安全なのか?

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心筋炎患者はワクチン接種後が圧倒的多数

若い人にはメリットは無く、周りのためという理屈も成立たないということを見てきました。それでいて若い人へのデメリットが比べものにならないくらい大きいのが今回のmRNAワクチンです。ワクチン接種後に心筋炎になる率は圧倒的です。

特に10代20代の若い男性が顕著なのですが、厚労省が把握しているワクチン接種後の心筋炎患者は 260人です。一方でコロナ感染後は 3人しか厚労省は把握していません。これでどうしてメリットが上回ると強弁するのでしょうか。


厚労省の心筋炎パンフレットは詐欺

パンフレットにはコロナに感染すると100万人中834人となっています。しかし繰返しになりましが、10代20代での厚労省資料で把握しているのは実数で3人(10月15日の資料で10-39歳で4人)です。10月15日の資料によると入院患者4798人から計算すると100万人あたり834人になりますが、ここで「入院患者」を対象としていることこそがおかしいのです。

10-29歳の男性の陽性者は2021年12月までで33万人、入院率は10%以下なので、100万人あたり834人の心筋炎が起こったとしても推計28人以下にしかなりません。

またこれは若い男性だけの問題でもありません。同様に厚労省の資料に10-29歳女性の新型コロナ「入院患者2949人中1人」の心筋炎をもって「100万人あたり339人」と書いてあります。しかし10-29歳の女性の陽性者は全期間で27万人、入院率は10%以下なので、心筋炎の推計9人となります。女性の推計を加えても10-29歳男女ともワクチン後の心筋炎の方が多いと推計されます。

そもそもワクチンは健康な人に接種するのですから、比較できる桁になっていること自体がワクチン接種事業としとて大いに疑問です。厚労省で把握してる実数で考えると、全世代で、男女ともワクチン接種後の方が心筋炎のリスクが高くなっています。


ファイザーワクチン6ヶ月追跡論文の重症者

  • 新型コロナ重症者を減らしても、他の病気での重症者を増やすことを示唆
接種群
(約2万人)

プラセボ群
(約2万人)

宣伝されてる
有効率
新型コロナ

陽性
(全期間)

131

1034
陽性
(2回目接種7日後から2ヶ月)

12

312

96.2%
重症
(severe)

1

30

96.7%
あらゆる有害事象(病気、副反応含む)
(2回目接種1ヶ月後まで)

総数

6617

3048
重症
(severe)

262

150

生命の危機
(life-threatening)

21

26
全死因死者

15 (6ヶ月以降 +3)
(内コロナ肺炎1)

14
(内コロナ2)
  • 注1: 本論文の目的はワクチンの有効性や安全性評価についてであり、副反応発生率や死亡率について何ら結論を出すものでは無い(だからこそ問題)
  • 注2:「あらゆる有害事象」での「重症」は、日常生活に不工合があり介助や入院が必要。人口呼吸器やICU利用を必ずしも必要としない。

ファイザーがワクチン接種後の6ヶ月追跡論文を2021年7月に出しています[1]。治験として約2万人の接種群と2万人のプラセボ群(非接種群)とを比較しています。ワクチンの発症予防効果も重症化予防効果も90%以上あり、深刻な有害事象もありませんでした、という論文の結論になっています。

しかし論文に付録(Appendix)として掲載しているデータも併せて表にすると、とんでも無いことが分ります。

確かに接種群でコロナで重症化した人は1人とプラセボ群30人より少ないというデータになっています。しかし接種群でコロナ以外で重症化した人は262人となっており、プラセボ群の150人よりも、112人も多くなっており、7割増しです。コロナで重症化しなければ、他のどんな病気で重症化してもよいのでしょうか?

プラセボ群でも有害事象が計上されていることを不思議に思うかもしれませんが、ヒトは生きていれば病気になります。ですからプラセボ群であっても追跡すればワクチンの副反応かもと思える症状が出るヒトは現れます。二重盲検定という方法が前提ですので、治験者にも医師にも接種したものがワクチンなのか生理食塩水なのか分りませんし、症状が出た人にワクチンを接種していたのかかも治験終了まで分りません。

この表をSNSで公表したとき、「コロナの重症化と、ワクチン接種後有害事象の重症化は違う!」と散々批判されました。確かに違うのですが、ワクチン接種後有害事象での重症化は Sever3 といわれるもので、定義は、日常生活に不具合があり介助や入院が必要というものであり、一般の方が考える重症の定義とは齟齬は無いと思います。人口呼吸器やICU利用を必ずしも必要とするものでは確かにありませんが、コロナの重症と定義が違うからといって無視してよいものでしょうか?

また批判として、この論文は有害事象を評価するものでは無い、とも言われました。論文が導き出そうとする答えと違うことをデータから読み取って公表することを、何故批判されるかも分りません。医学論文の作法としては間違っているといわれるのなら、それは医学論文の作法が間違っているのではとしか思えません。


ファイザーワクチン6ヶ月追跡論文の死者

  • ワクチンを接種しても全死因死者数は減らず、むしろ増える可能性を示唆

WBさん作成のものを一部改変

ファイザーワクチン6ヶ月追跡論文の死者に関しても興味深いデータが出ています。まず全体の死者は接種群は15人でプラセボ群は14人と、減っていません。むしろ増えています。これだけなら統計的な誤差に過ぎないといえるのですが、治験終了後、接種群で更に二人増えています。またプラセボ群に接種して 3人の死者が計上されています。

ファイザーワクチン6ヶ月追跡論文からだけでも、ワクチン接種すると死者が増える可能性が高いと言わざるを得ません。


コロナ特有の後遺症といわれているものはインフルにもある

  • 後遺症はオックスフォード大の研究によるとインフルにもある
  • コロナはインフルの多くて2倍程度で、罹患者を考慮するとインフルの方が多い

ワクチン接種した方が重症化するし、死者も増える可能性があるというと「コロナには後遺症もある!」と反論する人が出てきます。

しかし後遺症はインフルエンザにもあり、その頻度は、新型コロナであってもインフルエンザの多くて2倍程度にしか過ぎないという研究があります[2,3]。年間でのインフルエンザの患者数の多さから考えれば、今までもインフルエンザ後に後遺症を患っていた患者はコロナよりも多かったと考えられます。注目されなかったのでしょう。


参考文献

  1. THOMAS, Stephen J., et al. Six Month safety and efficacy of the BNT162b2 Mrna Covid-19 vaccine. MedRxiv, 2021.
  2. ASRIATI, Sindi Qistina. 6-month neurological and psychiatric outcomes in 236 379 survivors of COVID-19: a retrospective cohort study using electronic health records. Jurnal Latihan, 2021, 1.2: 1-12.
  3. TAQUET, Maxime, et al. Incidence, co-occurrence, and evolution of long-COVID features: A 6-month retrospective cohort study of 273,618 survivors of COVID-19. PLoS medicine, 2021, 18.9: e1003773.

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ワクチンは有効なのか?

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政府はワクチンは95%の有効率があり、かつ安全だとしきりに宣伝してきました。本当なのか検証していきます。


子供は接種済み親世代より重症化率低くワクチン不要

まず有効かどうかの議論の前に、必要かどうか? という議論が必要です。何故かこれが忘れさられているような気がしてなりません。

デルタが流行ってたころの重症化率を見ると、40代のワクチン接種後の重症化率は0.47%。その子供世代にあたる10代20代は0.6%と0.2%です。つまりワクチン接種した後の親世代の重症化率よりも子供の重症化率は低いのです。

致死率に至っては、10代20代はワクチン接種しなくても0.00%なのです。

全くワクチンが不要だということが分ります。


オミクロンでは子供の重症化率 0.00〜0.02%

更にオミクロンになって、10代20代の重症化率が0.00%となりました。それなのに射て射てというのは狂気の沙汰としかいいようがありません。


当初からワクチンでの感染予防効果も集団免疫も不明

それでも周りの人のためにと射てと散々宣伝されていたり報道されていたと思います。しかし2020年10月の厚労省の資料を見ても分るように、感染予防効果は当初から不明でかつ集団免疫が達成できるかも不明というのが厚労省の当初からの見解です。このことを知って驚くかもしれませんが、当初からそう言っていたのです。

感染予防効果に関しては途中から「確認されている」と見解を変えたようです[4]。しかし集団免疫に関しては効果不明という見解であり変更されてはいないようです。メディアが曲解した、といって責任逃れするつもりかもしれません。


ワクチンでの感染予防効果はマイナス入り

  • 感染予防効果マイナスが隠し切れなくなり官邸は公報をやめた

ワクチンで感染予防効果があることを官邸は公報していました。しかし 2回接種者がむしろ罹り易くなることが世界中で觀測されていて、日本でも浜松市のデータではそうなっていたので、日本全体での計算方法がおかしいのでは無いかと2021年末からずっとツイッターでは話題でした。接種歴不明の方を未接種者に組込んできた詐欺的計算手法をしているのではとずっと指摘されていました。

厚労省と政府は遂に隠し切れなくなり、2021年4月にこれまでの接種歴不明の方を未接種者に組込んで計算していたことを白状しました。世代によってはマイナス効果になっています。そしてこの後、広報をやめてしまいました。


3回でも何回でも接種すれば有効というのは根本的に間違い

2回接種での感染予防効果が落ちても「3回射てば」「何回でも射てば」と反論してくる人がいるのですが、根本的に間違いです。表は Janeway「免疫生物学」第9版(2019年) からのものですが、「有効なワクチン」の定義として、病気に対する防御能が「数年は続かなければ」ならない、とあります。

こういったワクチンや免疫の基本を無視して推進しているのが現状のワクチン行政なのです。

また定義に当然のように含まれる「安全性」についても多いに疑問であり、別途、解説していきます。


参考文献

  1. 厚労省資料 新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識(リンク切れ)
  2. 厚労省資料 新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識(2022年7月版)
  3. 第48回厚生科学審議会感染症部会 2020/10/9
  4. 新型コロナワクチンQ&A

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日本でのコロナ死者はごく僅か

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呼吸器系疾患で無くなる方は月に1万5000人、日に500人以上

  • 逼迫するわけが無いのに逼迫するのは医療体制の問題
  • コロナは全体の死者数にほぼ影響を及ぼさない

グラフは日本人の主な死因を2009年から月ごとのグラフにしたものです。年間多いときで140万人以上亡くなっており、上のグラフからは毎月、全死因で8万人〜14万人の方がお亡くなりになっていることが分ります。下のグラフ、大まかな死因分類だと、多い順に、癌(3万人)、循環器系疾患(2〜3万人)、呼吸器系疾患(1万5000〜2万人)、老衰(5000〜2万人)となります。

死者の数には季節性があり、全死因死者や、循環器系疾患、呼吸器系疾患が特に顕著なのですが、1月ごろ、つまり冬に多く亡くなって、夏は少なくなるということがよく分ります。呼吸器系疾患で亡くなる方は月に1万5000人以上、日に500人以上です。

一方、新型コロナによる死者は一番多い月で3000人(2021年まで)、6500人(2022年)と、日本人の主な死因に含まれませんが、グラフに表示するようにしました。日で200人(7日平均)程度です。

元から呼吸器系疾患で亡くなる方が、コロナ死が多かったときと比べても 5倍(2021年まで)なのですから、医療体制が逼迫するとすれば、繰返しになりますが、それは医療体制を整える側の問題です。一般の方、特に飲食店を制限して感染を抑えようといのは本末顛倒です。

余談ですが、近年、呼吸器系疾患死者が減り、老衰が増えています。この原因としては、在宅での見取が増え老衰と診断することが増えたこと、また遺族からの訴訟回避のために、呼吸器系疾患の一つである肺炎を老衰と診断することが増えたことなどを聞いています。


2022年2月と3月の死者が高止まり

2020年からのグラフにしてみましょう。2022年2月に全死因死者が増えています。毎年の推移を見れば、例年1月が多くて、2月、3月と減っていくことが分るかと思います(2月減の要因に1月より日数が少ないこともあります)。この原因を見ていくと、コロナ死者とカウントされた人が2月3月は多かったということもありますが、それよりも季節性の要因が多い筈の心疾患、呼吸器系疾患、老衰が例年と違って 2月になっても3月になっても減ってないことが分るかと思います。

この理由としてワクチン3回目接種を筆者は強く疑っています。


若者はコロナ対策禍での自殺の増加の方が大問題

  • コロナ前から呼吸器系疾患で月に10人前後亡くなっていた

次に10代20代に絞ってグラフを出すと共に、10代20代では死因トップの自殺も表示するようにしてみます。

一番上のグラフで、2020年になって極端に若者の全死因死者(紺色)が増えたことが分ります。それまでは少子化の影響で死者は減る傾向だったのにも関わらず、です。原因は死因の半数を占める自殺(黒色)が増えたことです。これは確実に過剰なコロナ対策の所為でしょう。

2番目のグラフで、自殺は他の死因に比べ圧倒的に多いことが分ります。2021年後半に少し落ちてきたかと思いましたが、2022年になっても、また少し上がり高止まりしたままです。

そして 3番目のグラフは自殺を除いた死因のグラフです。呼吸器系疾患で亡くなる方は 10代20代であっても元から僅かにいて、月10人前後というところでした。コロナが流行したからといって、呼吸器系疾患とコロナの死者を併せたものが特別増えたということもありません。

新型コロナ感染症で若者の死者は増えなかったけれども、コロナ対策で若者の死者が増えたことは明らかだと思います。


若い女性のコロナ対策禍での自殺の増加は更に問題

次に女性に絞ってグラフを見ていきます。男性より新型コロナ死者が少なくて、自殺が急上昇していることが分ると思います。

新型コロナ感染症で若者の死者は増えなかったけれども、コロナ対策で若者の死者、特に女性で増えたことは明らかだと思います。

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マスク効果有りRCTメタ解析論文は酷い切り貼り

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図中の上の表二つは、2020年に出たマスクに効果は無いとするRCTメタ解析論文、Xiao さんら 2020年の論文[1]から取り出したもので、「A. マスクのみ」と「B. マスクと手洗い」のメタ解析結果が書いてあります。

「A. マスクのみ」の論文に複数の論文が並べられてあり、その Risk Ratio (RR) が 1未満であれば、マスクが有効であることを示し、1より大きければマスクはむしろ逆効果を示します。ただし95%CI(信頼区間)も書いていますが、これが 1を跨いでいると、有意とはいえないということになります。

例えば一行目、Aiello2010年の論文の結果はマスクの効果は 2.34 で計算ではむしろ逆効果という結果が出ています。しかし信頼区間は 0.56-9.72 と 1を跨いでますので、逆効果という結果は有意では無い、つまり結論としてはどちらともいえない、となります。

最終的な結論としては、最後の行 RR が 0.78 でマスクに 22% の効果ありを示したものの、95%信頼区間では有意とは示せませんでした。

一方で、下の表はマスク効果有りのRCTメタ解析論文 Chen2022[2]から取ってきたものですが、まず RR1 未満の論文しか参照しておらず、Xiao2020 の論文で RR が 1より大きかったものは排除したようだということが分ります。

Cowling2008[3] の論文の値が Xiao2020 と Chen2022 とで違いますが、全体の結果では無く36時間以降だけを抽出した結果を Chen2022 で参照したようです。こんな抜出し方ををしてよいのでしょうか?

Larson2010[4] の論文は本来、 Xiao2020 では 「B. マスクと手洗い」に組込まれているように消毒液やマスクを使ったときとそうでないときを比較する論文でした。しかし論文には無い「消毒液だけ」と「消毒液+マスク」を比較した値を用いたようです。その比較なら違いはマスクしか無いから、マスクの有効性を示す値と判断したのでしょうか。

Chen2022 に組込まれている MacIntyre2015[5] は Xiao2020 には組込まれていません。これは MacIntyre2015 が N95 マスクに対して布マスクやマスク無しはどれだけ効果があるか(無いか)を比較する論文だからです。論文の結果としては N95 マスクは布マスクやマスクに対して有効であったというものです。ただし布マスクはマスク無し以上に逆効果でした。その論文のN95マスクの有効性だけを取出して Chen2022 に組込んだのでしょう。

以上、こんな恣意的な抜出し方をして解析すればどんな結果でも好きに作れてしまいます。RCTメタ解析論文と銘打っては駄目でしょう。

筆者の結論として「マスクが有効だとするメタ解析RCT論文はありません」となります。

以下、余談です。


参考文献

  1. XIAO, Jingyi, et al. Nonpharmaceutical measures for pandemic influenza in nonhealthcare settings—personal protective and environmental measures. Emerging infectious diseases, 2020, 26.5: 967.
  2. CHEN, Yiming, et al. Associations between wearing masks and respiratory viral infections: a meta-analysis and systematic review. Frontiers in public health, 2022, 1015.
  3. COWLING, Benjamin J., et al. Preliminary findings of a randomized trial of non-pharmaceutical interventions to prevent influenza transmission in households. PloS one, 2008, 3.5: e2101.
  4. LARSON, Elaine L., et al. Impact of non-pharmaceutical interventions on URIs and influenza in crowded, urban households. Public health reports, 2010, 125.2: 178-191.
  5. MACINTYRE, C. Raina, et al. A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers. BMJ open, 2015, 5.4: e006577.

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スウェーデンはロックダウン・マスク無しで全体死者増加せず

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スウェーデンでは2020年4月5月に確かにパンデミックがあったが、ロックダウンやマスクはしなかった

スウェーデンはロックダウンしないことで世界中から批難されましたが、その結果大変なことが起きたのでしょうか。またマスクもエビデンスが無いとしてしませんでした。日本との比較も混じえながらグラフを見ていきます。

グラフの赤い線が100万人当りの新型コロナの死者数を示しています。確かに2020年の4月と5月のスウェーデンの死者は日本に比べると膨大な数となっています。

青い線は他の死因での死者も含めた全死因死者を示しています。この線もやはり例年よりも高くなっています。水色で塗った領域は2015年から2019年までの同じ時期の最大と最小の範囲を示しており、この領域よりも青い線が高い位置にあると例年より死者が多かったことを示します。特に水色の領域の上に白い空白部分が見えて、更にその上に青い線があるところは、例年より非常に死者が多かったということを示しています。この観点から見ても2020年4月5月のスウェーデンの死者は多かったこといえるでしょう。

しかしその後は、ほぼ水色の領域の下に青い線が見えます。これは例年の死者の最低値付近かそれ以下で推移していたことを示します。

2020年11月と12月には第2波が来て、新型コロナの死者が増え、それに伴い全死因死者が例年より増えていることが分ります。しかしやはりその後は例年より低い水準で全死因死者が推移しています。


2015年からの視点: 2020年4月5月以外は平年並みかそれ以下

次に開始点を2015年からとしてグラフを見てみます。やはりスウェーデンの2020年4月と5月の全死因死者は多いといえるでしょう。しかし11月と12月の死者に関していえば同程度となっている箇所が2018年以前にもあります。一般的に冬は寒さや感染症などの影響で人が多く亡くなります。2020年の11月と12月の死者は、時期的には例年より2ヶ月ほど早まっていますが、2018年以前の冬と同程度であったといえるでしょう。

一方で日本は新型コロナが発生した2020年の全死因死者は例年より少なくなりました。年々死者が増加していた中で特異な出来事だったといえるでしょう。しかし逆に次の年の2021年は死者が例年以上になってしまいました。

よくよく考えれば新型コロナによって死者が増えるということはあり得ません。これはヒトの死亡率が100%だからです。新型コロナによって引き起こされるのは一時期に死者が集中するという現象です。

スウェーデンは毎年1月から3月ごろの死者が多いのですが、2019年と、2020年の新型コロナ直前の1月2月は暖冬の影響で亡くなる方が少なかったのです。2020年の新型コロナ死者の多さはその影響もあったと推定している論文も発表されています。執筆者はスウェーデン人の研究者だけでは無くノルウェー人の研究者も含まれています。


1980年からの視点: ヒトは冬に多くなくなるというのがよく分かる

更に1980年からの死者推移を見てみます。冬に人が多く亡くなるというのがよく分ります。データは国連からと2000年以降はヨーロッパを中心とした死者推移データベースから取得しています。(ところどころ抜けているのはデータに抜けがあるためです。) 1989年から1990年代にも新型コロナ並みの死者が出ていることが分ります。実際、スウェーデンの統計局はその頃にインフルエンザで大量の死者が出ており、新型コロナ第一波の死者よりも全死因でみると多かったと述べています。


1980年からの視点: スウェーデンと日本を比較

改めてスウェーデンと日本を比較します。スウェーデンの場合は、100万人あたり日ごとの死者が、1980年には30〜40人だったのが20〜30人になり、新型コロナで一時的に40人になりました。一方で日本は日に15〜20人だった死者が高齢化の影響で今では30〜40人です。新型コロナの被害をほとんど受けなくても死者がどんどん増えている状態です。国として先行きが厳しいのはどちらでしょう。(なお日本で一ヶ所だけ突出して高いところは、東日本大震災のあった2011年3月です。)


200年間の視点: スウェーデン

  • 100年前のスペイン風邪には遠く及ばず
  • 小規模パンデミックに遭ったが大規模インフォデミックは防いだ

スウェーデンには死亡者数や死亡率データが200年分近くあります。それを見れば、今回のパンデミックは100年前のスペイン風邪には遠く及ばず、1968年の香港風邪や1988年の北京風邪程度であったことが分ります。流行が収まった後、むしろ死者が減っているところもそっくりです。そのときもロックダウンしないと人が沢山死ぬと騷いだのでしょうか?

スウェーデンは、ロックダウンをしないマスクもしないという緩やかな対策で、一時的に死者は集中したものの、生活に制限は少なく、2年を通してみれば死者数は例年と変りません。2022年2月には対策の推奨がほぼ無くなり、入国の制限も4月には一切無くなりました。日本人も、PCR陰性証明もワクチンパスポートも必要とせず、入国できます。スウェーデンと日本、どちらの対策が優れていたのか、将来どうなるのか、考えてみて下さい。


参考文献

  1. Sweden’s two corona months are not more deadly than the flu of the 90s – but that does not mean that everything is normal
  2. JUUL, Frederik E., et al. Mortality in Norway and Sweden during the COVID-19 pandemic. Scandinavian Journal of Public Health, 2021, 14034948211047137.

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